言葉にならない愛を、君に


「あら、真鍋さん。わたし勇也くんと付き合うことになったの」

「あ、そう、なんだ・・おめでとう」


葵に、こんな姿をみせたくなかった。


「ありがとう、だからもう勇也くんとは話さないでね?」

「え?」

「ほら、勇也くんもいいなよ」


でも、いわないといけない。

葵を守るためにも。


「葵、もう幼なじみごっこはやめよう」

「ゆう、や?」

「ずっと嫌だったんだ。疲れた。幼なじみってだけで葵といるのが。
別に全然好きでもないのにさ。だからもうおしまい」


最後のほうは少し震えた。

涙がでてしまいそうで、それを必死に隠した。


へなへなと座り込んでしまった葵に手を差し伸べたかった。


そんなこと思ってない。

嘘だよ、好きだよっていえればどれだけよかったんだろう。


「葵、いこう」

航平が葵の手をつかんでそのまま教室とは反対のほうへ歩いていく。



航平、頼んだ。


俺は心の中でそう叫んだ。

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