言葉にならない愛を、君に



「葵、大丈夫??」

次の休み時間、咲茉の声が後ろからして葵が戻ってきたことを知った。

でも後ろを振り返る勇気がなくて、葵をいまみたら泣き崩れてしまいそうで、みれなかった。

「うん、大丈夫・・」

葵の声が少し沈んでいるようにも聞こえて、心配になったけれど、それよりも次の航平の言葉に俺は胸がちぎれそうになった。

「俺と葵付き合うことになったんだ!」

「っ」

思わず叫びそうになるのを必死で抑えた。


後ろを振り返ると葵と目があった。

きっと今の俺は相当ひどい顔をしている気がする。

葵も葵で、航平と付き合うことになったはずなのに悲しそうな顔をしていて。


“葵、いま、なにを考えてるの?”


そう聞けたらどんなによかったんだろう。
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