言葉にならない愛を、君に
*
「葵、大丈夫??」
次の休み時間、咲茉の声が後ろからして葵が戻ってきたことを知った。
でも後ろを振り返る勇気がなくて、葵をいまみたら泣き崩れてしまいそうで、みれなかった。
「うん、大丈夫・・」
葵の声が少し沈んでいるようにも聞こえて、心配になったけれど、それよりも次の航平の言葉に俺は胸がちぎれそうになった。
「俺と葵付き合うことになったんだ!」
「っ」
思わず叫びそうになるのを必死で抑えた。
後ろを振り返ると葵と目があった。
きっと今の俺は相当ひどい顔をしている気がする。
葵も葵で、航平と付き合うことになったはずなのに悲しそうな顔をしていて。
“葵、いま、なにを考えてるの?”
そう聞けたらどんなによかったんだろう。