言葉にならない愛を、君に
「咲茉も一緒に・・」
「ごめん、わたしほかで食べるから」
こうやって咲茉に何回も話かけてみても、咲茉はすーっとどこかにいってしまう。
「咲茉、どうしたんだろうね?」
航ちゃんはあれからずっと不思議がってる。
どうして咲茉が急に態度を変えたのか。
自分に好意をもってくれていたなんて露程も思ってないだろうから。
「わたしのせいなの」
わたしもそう答えるしかなくて。
「よくわかんないけど。葵はそれでいいの?初めてできた友達、なんじゃないの?」
そう、初めてできた友達。
休み時間もお昼も一緒に過ごして、休みの日も遊んで。
そんな友達はいままでいなかった。
「俺、葵と咲茉はお互いがお互いを好きって感じで仲いいなって思ってたけどな」
「・・うん」
「いいよ、葵。今日は別で食べよ。咲茉追いかけてきなよ」
「え?」
「いいから、ね?」
航ちゃんに背中を押されたわたしは咲茉を探すことにした。