言葉にならない愛を、君に



「葵、ごめん待った?」

「ううん、大丈夫」

今日は陸上部のほうがはやく練習がおわり、サッカー部が終わるまで校門でまっていた。

「じゃ、帰ろっか」

「うん」

航ちゃんが手をつないできてわたしもそれを拒むことなく握り返す。


「なあ、葵、俺本当に葵のことすきだよ」


きっと航ちゃんはわたしがいいたいことわかってるんだと思う。

誰よりも人の気持ちがわかる人だから。


「うん、わたしも航ちゃんのこと好きだよ」

「・・」

「でもね、それはやっぱり幼なじみとして、なんだと思う」

「そ、っか」

「航ちゃん、ごめんなさい」

「いいんだ、俺のほうこそごめん。利用してとかいって、葵を困らせただけだった」

「っ、そんなこと」

「葵がさ、勇也のこと好きって知ってから俺壊れそうだったんだ。生まれたときからずっと3人一緒だったはずなのにって、なんで俺じゃないんだろうって」

「う、ん」

「でも、勇也のことも葵のことも恨んだことなんてない。それくらい大切な人だから。大好きだから。だから2人には幸せになってほしいんだ」

「そういったって勇也はもう・・」

「いまは、そうかもしれない。でもきっといずれ、わかるときがくる」

「?」


航ちゃんの意味深発言に意味がわかなかった。


わかるときがくる?

なにかあるってことなの?

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