言葉にならない愛を、君に


「勇也くん、ごはんたべよ」

お昼休み、いつものように芹沢さんが隣のクラスからきて一緒に教室をでていく。

「なんだかんだ、お似合いにみえちゃうね」

咲茉がぽつりといった言葉にわたしもうなずく。

「最初はね、ちょっと思ってたの、芹沢さんの圧に押されて付き合ったのかなって。でも違うみたいだね」

「うん」

クラスは違えど、朝一緒にきているし、部活は一緒だから帰りも一緒で、お昼休みも一緒にいるのでほとんどの時間を一緒に過ごしている2人は、どこからどうみてもお似合いだった。


「葵はさ、まだ勇也くんのこと、すき?」

「うん、好きだよ」

「そっか、つらいね」

「つらいけど、でも勇也が幸せならそれでいいの」


最近そう思う。

本当に好きだからこそ、幸せになってほしいって。




「あいつ、なにしてんだよまじで」

だから航ちゃんが勇也に対して思ってることとかも気づかなかった。


わたしは航ちゃんの想いも、勇也の想いも知らないままだった。

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