言葉にならない愛を、君に
「榊ちょっといいか」
「はい」
顧問の遠藤に呼ばれて俺は航平の前から立ち去る。
てっきり今日のメニューのことに対してとか、部活のことでとかそういうことをいわれるんだと思った。
「お前ら、なにかあったのか?」
「え?」
でも違った。
「いや、最近真鍋とか久我と一緒にいないだろ?だから心配になってな」
「なんもないですよ、べつに」
「そうか・・お前らいつも一緒だったから担任としても・・」
「なんですかそれ?心配?いいですよそういうの、いらないです」
怒ると怖い遠藤。
影では鬼顧問ともいわれている遠藤。
そんな先生に反抗的な態度をとっている俺。
普通だったらありえないのに、今日の俺はやけにむしゃくしゃしていた。