言葉にならない愛を、君に


「榊・・」

「すいません練習したいんで、失礼します」


葵と話せないことの苛立ち、梨花子への苛立ち、さっきの航平の言葉。


じゃあ、どうしたらいいんだよ俺は。

なにが正解だった?

梨花子と付き合わないで葵が傷つけられるのをみてればよかったのか?

それをみて葵を守ればよかったのか?

でもそんなことをしたらもっと周りが反感する。

それに葵はきっと俺たちにはなにもいってこない。

葵が傷つけられてるのを助けられないなんて、そんなの意味がない。


「あぶない!」


そんな声がしたと思ったら強い衝撃をうけて後ろに倒れた。


「大丈夫か!?」

「平気です」

「保健室に・・・」

「すいません、体調優れないので帰ってもいいですか?」


こんな痛み大したことない。
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