言葉にならない愛を、君に
*
「ねぇ、きいた?」
「なにを?」
「真鍋さんと航平くん別れたらしいよ」
10月に入り、日がどんどん短くなってきた日の部活終わり、梨花子と帰ってるときだった。
「は?」
「だから、あの2人別れたんだって」
「なんで?」
「知らないわよ、わたしに聞かないで」
梨花子とは、付き合ってから手もつないだしキスもした。
まあ全部あっちからだけど。
でも俺はそれを拒めなかった。
ただ、それでもやっぱり好きにはなれなかった。