気づいて
••やはり
今日は、定時であがれそうだ
莉央と式の打ち合わせをしないと
って、嬉しさを押さえていると
急患の要請が・・・
交通事故のようだ。
「受け入れて下さい。」
と、言った俺。
後に、その事を
後悔することになるなんて・・・・
救急車が到着して
救急受入れの外に立っていると
ストレッチで運ばれてくる患者さんと
ストレッチに寄り添い泣いている女性
り・・お・・?
莉央の着てている服は
血だらけで・・・
「伊織、伊織っ」と、泣き叫んでいた
まったく、俺に気づくこともなく・・
彼の手を握りしめ、泣き続ける
莉央を看護師が慰めながら
「手を離し、お待ち下さい。」
と、言っていた。
「お願いします。伊織を助けて。」
と、莉央は何度も、何度も言っていた。
心が締め付けられた・・・
だが、俺は医者だ。
患者を目の前にして
治すのが仕事だと
気持ち切り替えて
手術室に入る。
頭の傷は、たいしたことはなく
足は、骨折していたから
固定をした
だが、頭を打っている可能性も
あるから検査をする。
患者さんの両親に説明をした。
その時、莉央はやっと
俺だと気づいたみたいだが
俺は、莉央に何かを言うことは
なかった。
気持ちも伝わり
お互いに大事に大切にしていた
愛されていると思っていた。
11年も片思いをしていた
莉央だが、彼のことは封印して
俺のことだけを考えてくれていると
勝手に考えていた
それは・・
間違っていたのか・・
やはり・・
彼の事を忘れることは
できなかったのか・・・
こんなに・・
好きで、愛して
しまった・・俺は・・・
どうすれば・・・・
良いのだろうか・・・・・・