気づいて
••二度も
その後、叔母は
凌平さんから訊いた内容を
詳しく話してくれた。
独身の莉央さんが誰と関係しようが
それは、自分が口をはさむことでは
ありません。
だけど、嘘をつかれた
事がたまらない。
あえて言う必要がないから
言わなかったかもしれません。
まだ、彼に気持ちがあるから
言えなかったのかもしれません。
どちらにしても、それなら
大学時代からしていない
なんて言う必要があったのかと
思う・・・
私は、昔‥‥‥
医学部時代に好きな女性が
いました。
一生、共に生きて行きたいと
おもうほどの。
本当に大好きで、愛していました。
彼女も私を大事にしてくれて
いたと思います。
医学部を卒業して、
大学病院に勤め、
辛い仕事も頑張ってきました
彼女と結婚するためだけに。
プロポーズもして、指輪もおくりました。
両家の両親にも挨拶にいく日も
決まっていたとき
偶然、彼女と彼女の友人が
カフェで一緒に
いるのを見かけて
驚かせようと彼女達の後ろに
座りました。
そこで、耳を疑う事を聞きました。
彼女の友人が
「すごいね、相手は外科の先生?
玉の輿じゃない。
でも、由紀子は、
今、雄二とも付き合ってるわよね?
雄二はどうするの?」
「大学の時は、
医学部で、彼は容姿も良いから
付き合えて、嬉しかったし
愛してもいたわよ
だから、結婚はする。
だけど、今はもう気持ちはないの
だって、ほとんど合えないから
寂しくてさ。
そんな私を雄二がそばにいて
支えてくれた。
雄二とは、身体の相性も良いし
抱かれるのは、気持ちいいの。」
「ひっどい。悪よね、あなた!!」
「そんなもの、ばれなきゃ
問題ないでしょ。
結婚してあげるんだから
嘘の一つや、二つなんて世の中
ざらでしょ。」
と、言い放つ、彼女の前に立ち
「二度と俺の前に現れるな。」
と、怒鳴ってその場を去った‥‥と。
その後、その女性から
あれは、嘘だからとか
言ってきたみたいだけど
弁護士を立てて、きっぱり
終わらせたみたい。
それからは、恋愛から遠退いた。
と、言っていたわ。
そんな事が、凌平さんに
あっていたなんて・・・
思っても‥‥‥
いなかった‥‥‥‥‥
また・・・
嘘をつかれた
また・・・
騙された
と、思っただろう‥‥‥‥‥‥
私は、あの日の伊織との事を
叔母にした。
伊織には、記憶がないと
思っていたし
「私の中では、あり得ない事
だったからあえて言う必要が
ないと思った。
大学からなかったのは、本当だから
それだけをいいたかっただけで
悪意も魂胆もない。」
と、言うと
叔母は、
「なんで、すれ違うのかな。」
と、ため息をつきながら嘆いていた。