あなたの好きなおでんの具を知りたいと思うくらいにはあなたが好き
「ごめん、それと、ちゃんと好きだった」


…意味がわからない。


ごめんは分かる。


好きだったって何。


「そんな嘘吐いて意味ないですよ?」


ここで泣いて嘘でも嬉しいです。とか言えたら多分まだ救いようがある。


それでも私は冷めた目をして突き放すようなことを言うもんだからやっぱり我ながら終わってる。


「嘘じゃない、妻より先に君に会えていたら、」


「タラレバの話、今してどうにかなります?」


出会えていたら、なんてそんなこと。


そんなこと彼よりも私の方が思ってる。


あの人さえいなければ


あの人より私の方が先に出会えていたら


そんなこと思って何になる。


運命とかいうのを信じるならそれがなかったってことでしょ、


そんなの気づいて何になる。


さらに悲しくなるだけだ。
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