あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
今目にした光景が信じられなかった。
仲良く腕を組んでいた人物を私が間違えるはずがない。
今日は確かフランスのシェアハウスで一緒だった日本人が帰国するから迎えにいくと言っていた。
てっきり男性だと勝手に思い、深くは訪ねることはしなかった。
私の知らない三年間、異国で一緒に生活してともに同じお店で同じ目標にむかい修行していた二人…。
理由はどうであれ、私は今日、恭一さんの恋人のふりをして彼と……何度も唇を重ねその熱に浮かされていた。
颯馬を裏切ったのは私だ。
バチがあたったのかもしれない…。
うつむく私に恭一さんは
「杏? どうかしたか?」
「いえ、なんでもありません」
ぎゅっと固く握りしめた手のひらには爪が食い込んで今見た光景が脳裏から離れなかった。
仲良く腕を組んでいた人物を私が間違えるはずがない。
今日は確かフランスのシェアハウスで一緒だった日本人が帰国するから迎えにいくと言っていた。
てっきり男性だと勝手に思い、深くは訪ねることはしなかった。
私の知らない三年間、異国で一緒に生活してともに同じお店で同じ目標にむかい修行していた二人…。
理由はどうであれ、私は今日、恭一さんの恋人のふりをして彼と……何度も唇を重ねその熱に浮かされていた。
颯馬を裏切ったのは私だ。
バチがあたったのかもしれない…。
うつむく私に恭一さんは
「杏? どうかしたか?」
「いえ、なんでもありません」
ぎゅっと固く握りしめた手のひらには爪が食い込んで今見た光景が脳裏から離れなかった。