あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
相変わらずお店は行列していた。
ようやく席に通されて注文を終えた時、私に気がついた颯馬のお母さんが、私の制止を無視して
「ちょっとまっててね」
とウィンクして颯馬を呼びにいってしまった。
忙しそうなのに悪いことしちゃったな…と落ち込んでいると、笑顔を浮かべた颯馬が厨房からこちらに向かってきた。
店内に噂のイケメンパティシエが現れたことで、辺りがざわつきはじめる。
そんなまわりの視線を無視して、颯馬は真っ直ぐに私の席まで来るとそのまま隣に腰かけて顔を覗き込みながら手を繋いできた。
「どうしたの?昼間から」
すらりとした長くて綺麗な指が私の手の指に絡み付き、久し振りに繋ぐ颯馬の手にドキドキする。
「久し振りに颯馬のケーキが食べたくてお茶しに来ただけ!
あの…ごめん、忙しいのに仕事の邪魔して…。
いいっていったんだけど葵さんが呼びにいっちゃって…」
「いや、構わないよ。
杏の顔を見たかったし、ちょっと充電したかったし。
それに、ちょうど杏に紹介したい奴がいるんだ」
颯馬が視線を厨房にむけ声をかけた。
「美桜(みお)」
始めて聞く名前に胸がざわつきだす。
手招きしたそのさきには、真っ白なコック服に身を包んだ忘れられないあの晩颯馬の隣に寄り添っていた顔が微笑んでいた。
ようやく席に通されて注文を終えた時、私に気がついた颯馬のお母さんが、私の制止を無視して
「ちょっとまっててね」
とウィンクして颯馬を呼びにいってしまった。
忙しそうなのに悪いことしちゃったな…と落ち込んでいると、笑顔を浮かべた颯馬が厨房からこちらに向かってきた。
店内に噂のイケメンパティシエが現れたことで、辺りがざわつきはじめる。
そんなまわりの視線を無視して、颯馬は真っ直ぐに私の席まで来るとそのまま隣に腰かけて顔を覗き込みながら手を繋いできた。
「どうしたの?昼間から」
すらりとした長くて綺麗な指が私の手の指に絡み付き、久し振りに繋ぐ颯馬の手にドキドキする。
「久し振りに颯馬のケーキが食べたくてお茶しに来ただけ!
あの…ごめん、忙しいのに仕事の邪魔して…。
いいっていったんだけど葵さんが呼びにいっちゃって…」
「いや、構わないよ。
杏の顔を見たかったし、ちょっと充電したかったし。
それに、ちょうど杏に紹介したい奴がいるんだ」
颯馬が視線を厨房にむけ声をかけた。
「美桜(みお)」
始めて聞く名前に胸がざわつきだす。
手招きしたそのさきには、真っ白なコック服に身を包んだ忘れられないあの晩颯馬の隣に寄り添っていた顔が微笑んでいた。