あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
「元気ないね。何かあった?」

副社長の視線が怖くて恭一さんに相談したくてわざわざ本社に足を運んでもらった。

颯馬の手を離した今、本当は頼りたくはなかった。

甘えてしまいそうでこの腕の中に飛び込んでしまいそうで近くにいるには危険な人だ。

それでもこの人に頼るしかなかった。

それほどまでに心が弱っている私は副社長と中川さんに怯えていた。


「いろいろと…」

「直哉が君に毎朝絡んでるんだろ?

秘書課に異動をしつこく迫ってるのは聞いてる」

「 そうなんです…」

会社から少し離れた和食のお店で私たちはお昼を食べながら話していた。

< 119 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop