あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
「颯馬、もう自由にしてよ。

火傷の責任なんて感じなくていいから。

義務で私と結婚しなくていいから。

想うままにこの先は生きて?

ごめんね…ずっと縛り付けてて」

ダメだ…我慢できない…

涙が次々溢れ出す。

「颯馬が本当に愛してる人と幸せになってよ」

私の言葉に颯馬が怒りだした。

「なんだよそれ!

本当に愛してる人!?

杏のことだろ!

杏しかいないだろ俺には!!

ずっと昔から杏のことしか目に入ってないよ!

火傷の責任なんてそんなことで杏と結婚するとか言ってるんじゃない!

杏のことが、俺は杏のことが大事だし、ずっとずっと杏が好きなんだ。

ふざけんなよ!

社長の息子だってなんだって、誰にも渡さない!

俺のものだ!

山梨になんていかせない!」

身を乗り出した颯馬がぎゅっと私を抱き締めた。

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