あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
***

明日はクリスマスイヴ。
一年で一番ケーキが売れる多忙な日。

今頃忙しいく働いているんだろうなと、街中に流れるクリスマスソングと光輝くイルミネーションを見つめて、颯馬の顔を思い出す。

「 クリスマスに過ごす相手なんていないんだろ?

俺と食事に行くか?」

恭一さんに声をかけられたが私は首を左右にふった。

『二十五日はあけておいて。
二人で過ごそう』

もう必要のない約束なのに、その日の予定を入れることがためらわれた。

「バカみたい…」

そう思うのに一歩も前に進めないでいる。

クリスマスが終わったら、踏ん切りをつけよう…。

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