あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
「好きだよ、杏。

愛してる。

もう絶対に離さない。

ずっと一緒にいよう」


**

「いってらっしゃい、颯馬」

「 ん、いってくる。
杏、愛してる」


玄関で見送りながらキスをかわす。

「……もう!毎朝邪魔!
いい年して、子供の前で恥ずかしい!」


「 しょうがないだろ?

パパはママが子供の頃からずーっとすっごく好きなんだから」

颯馬が玄関で靴をはく愛音の頭を軽く撫でる。

「 はいはい。ったく!ほんと恥ずかしい。

私たち先に行くから二人で思う存分いちゃいちゃして!

行こう、詩音(しおん)、洸(こう)」


「先に行くね、パパごゆっくり。
いってきまーす!」

「親父、遅刻すんなよ。
母さんいってきます」

玄関が閉まると、颯馬は何年たってもかわらず私を愛しい目で見つめ優しく抱き締めてキスを落とす。

私の大好きな甘い香りを漂わせて私を捕らえて離さない。

「杏、大好きだよ」

「 私も…好き。

ずっと、離さないでね」



    -完-



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