あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
「杏、颯馬ーっ!どこだ?」

差し出された飴玉を黙って受けとり、ぐいっと袖で涙を拭った時その人は現れた。

「いたな!こらっ!二人とも病室にもどれ!」

二人が怒鳴り声に飛び上がり、俺の服をつかんで背中に隠れる。

「あっ…」

姿を現した白衣姿のその人に見覚えがあった。

ずっと俺の母に心臓マッサージをほどこしてくれていた医師…ちらりと見たネームプレートには

゙Y.SAKA GUCHI "

そうかかれていた。
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