あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
「…杏と颯馬は先に病室に戻りなさい。パパは少しお兄ちゃんとお話しするから」

「いやっ!戻ったら痛いことするんでしょ?」

涙目の女の子がぎゅっと俺にしがみつく。

「ねぇ…お兄ちゃん杏の側にいて?
そうしたら、痛いの我慢するから」

「杏!」

「だって…。お兄ちゃん圭吾に似てものすごくイケメンなんだもん。

それに、寂しそう」

女の子からふわりと甘い香りが一瞬漂った気がした。
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