あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
***

「坂口さん、今夜空いてる?
企画部で飲み会あるんだけど一緒にどうかな…?
あっ前島さんも一緒にどう?」

冴嶋製薬株式会社それが私の勤務先だ。

企画部を希望したが、配属されたのは受け付けだった。

同期から言わせれば
「私たちの中で断トツ可愛いじゃん!華もあって笑顔が何よりもう魅力的すぎ!受け付け以外の配属はありえないでしょ!」

それって、私の顔で採用されて配属されて…能力なんてないって言われたようで物凄く悔しかった。

そんな思いが顔にでていたのだろう。

もう寿退社してしまったが、新人時代私に仕事を叩き込んでくれた先輩に一喝された。

「受け付けは会社の顔なのよ!
そんな不機嫌な顔してたっちゃ駄目だから!
いい?プライベートで何があってもここにたったら気持ちを切り替える。でもただニコニコしてればいい仕事ではないのよ?
ここを訪れる重要な人の顔と名前は覚えて頂戴。それから…」

こんこんと説明してくれた業務内容は私の想像のかなり上をいき、とてもやりがいのあるものだった。
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