あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
「私…怒ってばっかりだった?」

「いや、俺が怒らせることばっかりした」

とため息をついた。

「ごめん。

三年間、颯馬は慣れない国で言葉を学びながら頑張ってきたんだよね。

私、まだちゃんといってなかったよね。

お帰りなさい、颯馬」


笑顔をむけると、颯馬は思いっきり破顔して…ほんのりと頬を赤く染めて

「やべぇ。
杏可愛いすぎ。
めちゃくちゃ今、、、、キスしたい」

そう呟いて目をそらした。

颯馬の呟きに、昨日の甘くて深いキスを思い出して私の体温も一気に上がる。

「このままデートしたいけど、母さんが杏連れて帰ってこいって。
家で俺の帰国とコンクール入賞祝いするって。
来てくれる?」

「もちろん!
颯馬が頑張ってきたお祝い一緒にさせて」

笑顔をむけると

「ありがとう」

とはにかんだ颯馬のぎゅっと握られた手が、いつのまにかしっくり私の手に馴染んでいて、いつまでもこの温かくて大きな手を繋いでいたいと素直に思った。
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