あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
生クリームに沢山の果物がのったケーキを選び、一口食べた瞬間に私の顔が綻ぶ。

「美味しいっ!!

昨日のシフォンも美味しかったよ!

わざわざ家に持ってきてくれたんでしょ?
ありがとう、颯馬。

綺麗に盛り付けまでしてくれて、お母さんがお礼言っといてって。

ご馳走さま、どうもありがとう。

また遊びに来てって言ってたよ」

「…今度は杏の部屋に遊びに行くよ」

口角をあげて意地悪く笑う颯馬の言葉に、治まりかけていた心拍数がまた一気に跳ね上がる。

「まっとりあえず、食べ終わったら俺の部屋に行こう。

まだお土産渡してないし」

「おいおい、親がいるのに部屋に連れ込むのか颯馬」

虎太朗さんがニヤニヤしながらこちらを見るので、その颯馬にそっくりな顔にみるみる私の顔が赤くなる。

「はぁ!?
みんないるのに何もしねぇし!

息子の彼女に色目使うなよ!
エロじじぃ!」

立ち上がった颯馬が私の腕をつかみ立ち上がらせると、そのまま自分の部屋に私を押し込めた。



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