あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
二人になったとたん、いきなり正面から颯馬に抱き締められる。

颯馬の熱をもった体温が伝わり、胸にぴったりと埋められた顔には、私と同じくらいに心拍数があがっている颯馬の心臓の音が耳に入る。

「あんな顔されて俺の作ったケーキ食べられると、俺が杏を食べたくなる」

甘く囁く声に私の体が跳び跳ねる。

「さっき何もしないっっ!

んっっ…」


頭の後ろに手かおかれて、強く押し付けられた唇は私の言葉を遮った。

焦るような余裕のない颯馬は、強く押し付けた唇の隙間から私の口内に舌を侵入させて、熱くて甘い舌に私の舌が捕らえられた。

「やっ…んっ…」

激しく熱を注ぎ込まれ、力の入らなくなった身体は簡単に颯馬のベットに押し倒されて、覆い被さった颯馬が今度は角度をかえながら何度も何度も優しく唇を合わせてきた。

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