あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
「本田さん素敵じゃないですか。
坂口さん興味ないなら私彼狙いますけどいいですか?」

前島さんがうつむきながら頬をほんのり赤く染めていた。

あぁ…可愛いなぁ。

恋をしてるときってこんな顔をするんだな。

「可愛いい、前島さん。
いいもなにも私本田さんのことはなんとも思ってないから。
頑張って?」

「 …坂口さんのタイプってどんな人なんですか?
前からきになってたんですよね。
こんなにお声がかかるのに誰にもなびかないなんて。
理想高いんですか?」

「うーん…高いのかなぁ。」

曖昧ににごして笑ったが私がどうしても受け入れられないことがあるのだ。

それは香り。

子供の頃から消毒薬の香りに包まれた人たちに囲まれていたので、タバコや香水には人一倍敏感なのだ。

今まで彼氏が一度もいなかったわけではない。

でも、抱き締められるとその香りで拒絶してしまうのだ。

゙コノヒト"じゃないと。
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