あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
翌朝、車で迎えにきた颯馬は両親に

「杏をおかりします」

と深々と頭を下げて、私は泊まりで出掛けることが恥ずかしくて、うつむいていた。

「 おい、間違ってもデキ婚はやめてくれよ?」

苦笑いするパパの腕をママがつねり

「あら?あなたがそれを言う?
私と早く一緒になりたくて、杏を身ごもらせたくせに。

二人とも楽しんでらっしゃい。
気を付けてね。
杏を宜しくね、颯馬くん」

「はい。
いってきます」

車に乗り込むと車内は颯馬の香りであふれかえっていて、まるで颯馬にまるごと包み込まれているようで頭が沸騰しそうだ。

「…少し、窓開けていいかな…?」

車内の空気をさりげなく入れ替える。

颯馬のフェロモンにやられそうだ。

…っていうか…

颯馬の大きな手をじっと見つめてよからぬ想像が頭に浮かんで…

私ってば何考えてるの!?

パパが変なこと言うから、考えないようにしていたのに、颯馬との夜が頭に浮かぶ。
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