あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
「無理しすぎて身体壊さないでね。

でも…ダメって言っても時々お店に会いに行くから!

仕事の邪魔するけどちゃんと責任もって私が寂しくないように颯馬でいっぱいにしてよ!

ほっといたら私…他の人みちゃうよ?

ちゃんと責任もって颯馬で私をいっぱいにしつづけて」

颯馬の喉仏がごくりと動いた。

少しかすれた震えた声が私の名前を呼ぶ。

「杏……

俺のこと………好き?」

「決まってるでしょ!

好きじゃなきゃ泊まりで旅行なんて行かないよ!」

ハンドルを切った颯馬がハザードランプをつけて、車を脇に寄せて停車した。

シートベルトをはずすと大きな手で私の頬を挟む。

真っ直ぐに見つめる目から視線が外せない。

「 俺の目を見てちゃんと言ってよ。

なんか今、すっげー嬉しいこと言われた気がする」

「……」

「俺は杏が好きだよ。

ずっと、一生、一緒にいたいと思ってる。

杏と結婚するつもりでいる。

杏は?

俺のことどう思ってる?

幼馴染みの弟だと思ってるの?

俺は小さい頃からずっと、女としかみてないから」

真っ直ぐな瞳は熱を帯びていて、もう誤魔化しようがないほど私の心も颯馬を求めてやまない。

「 颯馬が…好き」

恥ずかしくて目を伏せると

「やっと、聞けた」

満面の笑みを浮かべた颯馬の顔がゆっくり近づき、私たちはそっと唇を重ねた。






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