あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
***

颯馬のお父さんが予約した旅館は、山の中の庭に露天風呂がついた離れの高そうな部屋だった。

「すごい!
うわぁ、素敵な露天風呂がついてる!
こんな贅沢していいのかな?」

目を輝かせて庭に近づき、露天を眺めていると、背後から抱き締められた。

「杏の心も身体もしっかりつかんでこい!って言われてきた。

あとで一緒に入ろう?」

そう言うなり、向きを変えられて深く唇が合わせられた。

私よりも体温が高く、強く颯馬から発する香りに頭がくらくらする。

気がつけばそのまま畳に押し倒されて颯馬が私を見下ろしている。

「 夜まで我慢できそうもない…

杏、可愛すぎ」

再び繰返し合わせられる唇に私の息がどんどんあがる…。

「んっ…」

「杏、好きだよ」

とろけるような甘いキスの嵐に…

私は酔いしれる。

キスがこんなにも気持ちいいなんて今まで知らなかった。



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