あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
「俺と直哉は実の兄弟じゃない。社長も俺の親父じゃない。
社長は、俺の実の父親の兄になるが、俺は養子縁組されて親子関係にある。
俺の両親は、アイツに自殺に追い込まれて会社を乗っ取られた。」
怒りに満ちた目で前を見据えるこの人の心が悲鳴をあげているのがわかり、思わず手を伸ばして膝の上で拳を握る左手にそっと手を重ねた。
自分でもよくわからない無意識の行動だった。
瞬間大きく目を見開いた所長が、赤信号で停車して私を見つめた。
「杏…」
颯馬の華奢で綺麗な手とは違う、大きくてゴツゴツした男らしい手が重ねた手をぎゅっと握りしめた。
社長は、俺の実の父親の兄になるが、俺は養子縁組されて親子関係にある。
俺の両親は、アイツに自殺に追い込まれて会社を乗っ取られた。」
怒りに満ちた目で前を見据えるこの人の心が悲鳴をあげているのがわかり、思わず手を伸ばして膝の上で拳を握る左手にそっと手を重ねた。
自分でもよくわからない無意識の行動だった。
瞬間大きく目を見開いた所長が、赤信号で停車して私を見つめた。
「杏…」
颯馬の華奢で綺麗な手とは違う、大きくてゴツゴツした男らしい手が重ねた手をぎゅっと握りしめた。