あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
「でもね、杏、例え政略結婚でもちゃんと愛して大事にすることはできるんだよ。

でもアイツははなから愛人を囲って体面的なお飾りの妻と、日陰の存在で籠に押し込めて愛情を注ぐ籠の中の鳥を飼うつもりなんだ。

杏のことは格段アイツが気に入ってね。

良からぬ噂が社内に流れるのはアイツなんだよ。

杏に男が近づかないためだ。

本気で杏一人を愛して妻に迎えるつもりなら俺も邪魔はしない。」

恭一の言葉にチクリと胸が痛んだ。

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