シュガーレスでお願いします!
(自業自得か……)
今考えると、これまで私達に夫婦らしいスキンシップがあったのは、慶太が自分からすすんで接触を持とうとしてくれたおかげだった。
私はただ応じていれば良かっただけという体たらく。
今更、そのことに気がついても後の祭りだ。
“節度を持て”という自分の発言を今になって取り消すことはできない。
(まあ、別に平気だけどな……!!)
慶太がちょっかい出してこないおかげで丹羽先生の新刊だって読めるし。勉強会の復習だって捗るし……良いことずくめだ。
やはり甘ったるい夫婦生活なんて私には必要ないんだと、うんうんと独り言ちる。
しかし、色ボケ生活が不要な理由を羅列すればするほど、あれほど声高に節度を持てと言い放っていた自分に自信が持てなくなっていく。