シュガーレスでお願いします!

(必要ない……はず……だったんだけどな……)

……認めたくない。

いざ、その状況に置かれたらやっぱり寂しくて仕方ないなんて。

口が裂けても言えるものか!!

私はガイドブックを流し読みしながら、大きなため息をついた。

(なんで慶太は平気でいられるんだろう……)

私ばかりが、動揺して、焦って、バカみたいに戸惑っている。

こんな状態ではますます清水さんのことが聞きづらいではないか。

清水さんってどんな子?

いつからsoleilで働いているの?

なぜあの日は清水さんが一緒だったの?

もしかして、1週間ともずっと清水さんと一緒だったの?

次から次へと疑問は湧き出ているのに、私はまだどれひとつとして慶太に尋ねることが出来ずにいた。

そうして、問題はなにひとつ解決しないまま、とうとう沖縄に出発する日がやって来てしまうのだった。

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