シュガーレスでお願いします!

「優秀なSNS探偵だな。専門の探偵事務所が開けるんじゃないか?」

「お褒めにあずかり光栄です~!!」

「ありがとう、君島さん。葛西さんにはご友人に居場所を知らせないように私の方から連絡しておく」

君島さんからの報告を聞き終わると、香子先生は五十嵐先生に目配せを送った。

「五十嵐先生」

「はい、香子先生。この監視カメラの映像と君島さんが調べてくれたSNSの投稿をもとに警察に相談に行ってきます」

5分足らずの映像をきっかけに、それまで停滞していた犯人確保への手筈が整い始める。

包囲網が敷かれ、外堀が着々と埋められていくことに一抹の不安がよぎる。

葛西さんは、祖父母の家に避難しているから身の安全は保障されているとして……。

果たしてこれで本当に良いのかと、夫が警察に突き出されようとしている葛西さんの気持ちを思うと、どうしてもやるせない気持ちになるのだった。


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