シュガーレスでお願いします!
……穴があったら入りたい。
自分で飛び込むから、誰か埋めてくれ!!
慶太に簡単に騙された自分が憎い。
この分だと慶太の奴、私が何も知らないのをいいことにやりたい放題しているに違いない。
恋愛の知識レベルが小学生並みの私はさぞ騙しがいがあることだろう。
ホスト顔負けの口八丁手八丁で手玉に取られ、日々翻弄されているせいで、仕事に身が入らないんだ。
そうだ、そうに違いない!!
「比呂先生の旦那さんって、よっぽど比呂先生が好きなんですね~」
遠藤さんは含みを持たせ、満面の笑みで私の肩を更にポンポンと叩いた。
「私達、これでも心配してたんですよ。比呂先生があんまりにも結婚生活について話さないからやっぱりパティシエの旦那さんとは上手くいっていないのかなーって。まさかこちらの想定と逆とは思いませんでしたけど」
遠藤さんは頬を赤らめると、あらら~と興奮冷めやらぬ様子で両手で頬を包みはしゃいでいた。
まるで、香子先生のようだ。
一緒に働いていると、香子イズムが伝染するとでもいうのか。