シュガーレスでお願いします!
「ただいま」
無事、極秘ミッションを終えウェブページを閉じたところで、慶太が家に帰ってきた。
「お帰り!!」
「どうしたの?出迎えてくれるなんて珍しいな」
「そう?」
興奮冷めやらぬまま玄関まで慶太を出迎えに走ると、お返しとばかりにちゅっと頬にキスをされる。
良かったな、慶太。今の私はものすごく機嫌が良いんだ。
節度を持てと口を酸っぱくして言いたいところだけど、これくらいは大目に見てやろう。
「ご飯できてる。先に食べる?」
「んー。今日はこのまま、比呂を食べたい気分かな?」
「おい、節度はどこいった?」
Tシャツの裾から手を入れ、わき腹をまさぐってくる慶太の頭にきつい拳骨をお見舞いする。
脳みそに入らないからって、店に置いてきたのか?
「比呂の意地悪~」
慶太はぶーぶーと口を尖らせながら文句を言うと、食事の前に風呂に入ると言ってバスルームに向かったのだった。
慶太が風呂に入っている間に、夕食に作った豚肉の生姜焼きを電子レンジで温めなおす。
慶太のような技術と経験がなくても、お手軽に魔法が使える現代に感謝したのだった。