君への愛は嘘で紡ぐ
Ninth Lie
翌日、大学に行くと、校門で由実さんと会った。
私を見かけた由実さんは、私に駆け寄ってくる。
切羽詰まったような表情で、私の両腕を掴んだ。
「円香ちゃん、笠木くんとは会えた?ちゃんと、話せた?おうちは大丈夫だった?」
口を挟む間もないくらいの勢いで、私は少し戸惑う。
私が答えられないでいることに気付いた由実さんは、少し離れた。
「ごめん……なんか、メールしづらくて、つい……」
そういえば、由実さんにも瑞希さんにも連絡していなかった。
正直それどころではなくて、忘れていた。
「大丈夫ですよ。しっかり話し合って、認めてもらいました」
すると、安心した笑顔を見せてくれた。
「でも、それって本当に大丈夫なの?その、婚約者さん、とか……」
「……多分?」
はっきりと言い切ることもできなくて、首を傾げながら答えた。
それがおかしかったのか、由実さんは吹き出した。
それにつられるように、私も笑う。
「わからないんだね。でも、円香ちゃんが元気そうでよかった」
由実さんのこの優しさは、本当に癒される。
心配かけたくない気持ちはあるが、こうして心配してくれて、安心しているところを見ると、不思議と暖かい気持ちになる。
私を見かけた由実さんは、私に駆け寄ってくる。
切羽詰まったような表情で、私の両腕を掴んだ。
「円香ちゃん、笠木くんとは会えた?ちゃんと、話せた?おうちは大丈夫だった?」
口を挟む間もないくらいの勢いで、私は少し戸惑う。
私が答えられないでいることに気付いた由実さんは、少し離れた。
「ごめん……なんか、メールしづらくて、つい……」
そういえば、由実さんにも瑞希さんにも連絡していなかった。
正直それどころではなくて、忘れていた。
「大丈夫ですよ。しっかり話し合って、認めてもらいました」
すると、安心した笑顔を見せてくれた。
「でも、それって本当に大丈夫なの?その、婚約者さん、とか……」
「……多分?」
はっきりと言い切ることもできなくて、首を傾げながら答えた。
それがおかしかったのか、由実さんは吹き出した。
それにつられるように、私も笑う。
「わからないんだね。でも、円香ちゃんが元気そうでよかった」
由実さんのこの優しさは、本当に癒される。
心配かけたくない気持ちはあるが、こうして心配してくれて、安心しているところを見ると、不思議と暖かい気持ちになる。