君への愛は嘘で紡ぐ
違う。
私は、玲生さんを幸せにしたかっただけではない。
二人で、幸せになりたかった。
そう思うと、また涙が零れた。
葬式中も、ずっと泣いていた。
もう、私の名前を呼んでくれない。
私と一緒に、笑ってくれない。
叶えたいと口にした夢は、一生叶わない。
玲生さんは、どこにもいない。
葬式が終わり、家に帰っても悲しみは消えなかった。
寝て、起きて、泣く。
その繰り返しだった。
私を心配して、由実さんと瑞希さんが来てくれた日もあった。
「円香ちゃん、大丈夫?」
「えん、少しは顔見せてよ」
そう言われても、赤く腫れた目を見せて、さらに心配かけることはしたくなかった。
「……ごめんなさい……」
私の声が二人に届いたのかはわからない。
久々に口を開いたせいもあり、それだけ声が小さかった。
「また来るね」
「そのときは元気な姿、見せてよ」
そして、会わずに帰ってもらった。
◇
玲生さんが亡くなって一週間が経った。
相変わらず泣き続けていた私のもとに、ある客が来た。
「円香ちゃん、希実です。ここ、開けてくれないかな?」
嘘だと思ったが、その声は確かに希実さんのもので、指が入る程度の隙間でドアを開けた。
私は、玲生さんを幸せにしたかっただけではない。
二人で、幸せになりたかった。
そう思うと、また涙が零れた。
葬式中も、ずっと泣いていた。
もう、私の名前を呼んでくれない。
私と一緒に、笑ってくれない。
叶えたいと口にした夢は、一生叶わない。
玲生さんは、どこにもいない。
葬式が終わり、家に帰っても悲しみは消えなかった。
寝て、起きて、泣く。
その繰り返しだった。
私を心配して、由実さんと瑞希さんが来てくれた日もあった。
「円香ちゃん、大丈夫?」
「えん、少しは顔見せてよ」
そう言われても、赤く腫れた目を見せて、さらに心配かけることはしたくなかった。
「……ごめんなさい……」
私の声が二人に届いたのかはわからない。
久々に口を開いたせいもあり、それだけ声が小さかった。
「また来るね」
「そのときは元気な姿、見せてよ」
そして、会わずに帰ってもらった。
◇
玲生さんが亡くなって一週間が経った。
相変わらず泣き続けていた私のもとに、ある客が来た。
「円香ちゃん、希実です。ここ、開けてくれないかな?」
嘘だと思ったが、その声は確かに希実さんのもので、指が入る程度の隙間でドアを開けた。