君への愛は嘘で紡ぐ
◇
「どうしよう……ここはどこ……?」
この歳になって、迷子だなんてとても恥ずかしい。
電車を利用して学校に来ることはできたのに、校内で迷ってしまった。
転校生ということで、私はまず職員室に向かわなければならなかった。
昇降口から校内に入るところまではよかったのだが、どこに職員室があるのかを把握していなかった。
誰かに聞けば解決することだとわかっているけど、なぜか怖くて聞けなかった。
「いいところのお嬢様がこんなところで何してんだ?」
一階の渡り廊下を歩いていたら、どこからかそんな声がした。
私は足を止め、あたりを見渡す。
「はは、上品さはどこにやったんだよ」
身分を隠しているはずなのに、そんなことを言われたから過剰に反応してしまっただけなのに、笑われてしまった。
「ここだよ」
声の主は、中庭の真ん中にある大きな木の上から降りてきた。
金髪の男子生徒だった。
校則違反ではと思うほど、制服を着崩している。
カッターシャツのボタンは全て開け、中には赤色の派手なシャツを着ている。
タイミングよく吹いてきた風でなびき、朝日に照らされる金色の髪は、とても眩しい。
その髪から目が離せない。
「どうしよう……ここはどこ……?」
この歳になって、迷子だなんてとても恥ずかしい。
電車を利用して学校に来ることはできたのに、校内で迷ってしまった。
転校生ということで、私はまず職員室に向かわなければならなかった。
昇降口から校内に入るところまではよかったのだが、どこに職員室があるのかを把握していなかった。
誰かに聞けば解決することだとわかっているけど、なぜか怖くて聞けなかった。
「いいところのお嬢様がこんなところで何してんだ?」
一階の渡り廊下を歩いていたら、どこからかそんな声がした。
私は足を止め、あたりを見渡す。
「はは、上品さはどこにやったんだよ」
身分を隠しているはずなのに、そんなことを言われたから過剰に反応してしまっただけなのに、笑われてしまった。
「ここだよ」
声の主は、中庭の真ん中にある大きな木の上から降りてきた。
金髪の男子生徒だった。
校則違反ではと思うほど、制服を着崩している。
カッターシャツのボタンは全て開け、中には赤色の派手なシャツを着ている。
タイミングよく吹いてきた風でなびき、朝日に照らされる金色の髪は、とても眩しい。
その髪から目が離せない。