君への愛は嘘で紡ぐ
飲み物を買いに行っていた瑞希さんは、戻ってくるなりとんでもないことを言ってくれる。
私は顔が熱くなる。
「からかうつもりで言ったんだけど……もしかして、ガチ?」
両手で顔を覆う。
私の顔が見たいのか、瑞希さんは手をどかそうとする。
「え、え?円香ちゃん、そうなの?会えなくて寂しいって、好きな人にってことだったの?」
「答えろー。好きな奴ってのは誰だー?」
二人の興味は尽きず、必死に抵抗しても無意味だった。
私の両手は瑞希さんに抑えられる。
「えんが好きなのは、誰?」
瑞希さんの笑顔が怖い。
隣の由実さんは楽しみすぎで、頬が緩んでいる。
「お、教えま、せん」
「どうして?私たちが知らない人だから?」
違う。
知っているからこそ、言えない。
「そんな、泣きそうな顔するなよ」
瑞希さんは手を離した。
「私たち、円香ちゃんが誰を好きでも何も言わないよ?ただ、応援したいなって思って……」
由実さんは申しわけなさそうに俯く。
この二人なら、笠木さんのことをわかってくれるかもしれない。
私がきちんと笠木さんのいいところを伝えたら、誤解がとけるかもしれない。
「……私が好き、というか……気になる、のは……笠木さんです」
私は顔が熱くなる。
「からかうつもりで言ったんだけど……もしかして、ガチ?」
両手で顔を覆う。
私の顔が見たいのか、瑞希さんは手をどかそうとする。
「え、え?円香ちゃん、そうなの?会えなくて寂しいって、好きな人にってことだったの?」
「答えろー。好きな奴ってのは誰だー?」
二人の興味は尽きず、必死に抵抗しても無意味だった。
私の両手は瑞希さんに抑えられる。
「えんが好きなのは、誰?」
瑞希さんの笑顔が怖い。
隣の由実さんは楽しみすぎで、頬が緩んでいる。
「お、教えま、せん」
「どうして?私たちが知らない人だから?」
違う。
知っているからこそ、言えない。
「そんな、泣きそうな顔するなよ」
瑞希さんは手を離した。
「私たち、円香ちゃんが誰を好きでも何も言わないよ?ただ、応援したいなって思って……」
由実さんは申しわけなさそうに俯く。
この二人なら、笠木さんのことをわかってくれるかもしれない。
私がきちんと笠木さんのいいところを伝えたら、誤解がとけるかもしれない。
「……私が好き、というか……気になる、のは……笠木さんです」