結婚してみませんか?
相沢さんとの結婚を決めた私は、相沢さんのマンションに引っ越しをすることにした。

「ねぇ、恋ちゃん。結婚するにあたって、ご両親に挨拶したいんだけど。」

夜ソファーでくつろいでいると、相沢さんがレモンサワーを飲みながら話しかけてきた。

「…私のところは母しか居ません。」

「母…編集長か。手強そうだけど、結婚許してもらえるように頑張らなきゃ、ね。段取りしてもらっていい?」

「相沢さんのご両親は?」

「…俺は両親居ないから、気にしないでいいよ。」

「そうですか。じゃあ母には連絡しておきます。」

お願いね、と言わんばかりに大きな手で私の頭をポンとすると、そのままレモンサワーを片手に部屋に戻っていった。

そうか。
結婚の事、母に言わなきゃ。

母はどんな顔するだろう。彼氏すっ飛ばして結婚相手の紹介だし…やっぱり反対するかな。

私は時間を見つけて、母に連絡した。

「もしもし…恋どうしたの?」

「仕事、終わった?」

「今、家に着いたところ。」

「あのさ…近々会ってもらいたい人がいるんだけど。」

「えぇ!?何々?急にどうしたの?ちょっと待って。彼氏できたの?」

「えっと…結婚しようと思うんだけど、彼に会ってくれる?」

今の私と相沢さん関係って、どう説明したら良いのだろう。

「け、結婚って…どういう事!?私に内緒で付き合ってる人いたの?相手はどんな人なの?」

母の質問責めは止まらない。まぁそうだよね。今まで恋愛に興味なかった娘が突然結婚なんて言い出したのだから。

< 16 / 58 >

この作品をシェア

pagetop