結婚してみませんか?
「ただいま。」

家に帰ると、何だか良い匂いがしてきた。リビングに行くと、テーブルの上に食事が並んでいた。

「お帰りなさい。良かったら、食事(これ)食べませんか?」

「いいの?凄く美味しそうだね。じゃあ一緒にお酒飲みながら食べようよ。」

「はい。」

恋ちゃんの作った手料理を口にする。めっちゃ美味い。お腹が空いていたのもあり、パクパク食事を平らげる。

「そういや、詩織さんと何見て盛り上がってたの?」

「昔の…写真を見てました。詩織とは中学が同じなんです。」

「へぇそうなんだ。ねぇ、写真見てみたい。ダメ?」

中学の頃からの知り合いなのはさっき聞いたから知っているけど知らないフリをする。純粋に昔の恋ちゃんを見てみたかったからダメ元でお願いしてみた。

「…いいですけど、見てもつまらないですよ?」

そう言うと、恋ちゃんは部屋に写真を取りに行く。そして写真の入ったアルバムを持って戻ってきた。

「どうぞ。」

渡されたアルバムを開くと、俺は思わず目を疑った。詩織さんから聞いてはいたが、まさかこんなに…。

写真に写る中学生の恋ちゃん。どの写真も楽しそうな満面の笑みで写っている。

…めっちゃ可愛い。

ニヤニヤしながらアルバムをめくっていくと、気になる写真が出てきた。

笑顔の恋ちゃんとイケメン男子のツーショット写真。元彼かな?よく見ると『北海道にて、(ゆう)くんと』と書かれている。

ツーショット写真をガン見しているのがバレたのか、恋ちゃんはアルバムを回収した。

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