結婚してみませんか?
「その笑顔が消えたのは、笹倉さん(アンタ)のせいだろ!?」

「…そうだね。俺との噂のせいで恋ちゃんは酷い目にあった。俺だって責任感じてるさ。でも…今、恋ちゃんを悲しませているのは相沢、お前だろ?」

笹倉さんは鋭い目つきで俺を見て、胸ぐらを掴んでいた俺の手を叩き退ける。

そして笹倉さんは資料室から出て行った。

俺は何も言えなかった。

恋ちゃんとの歯車がズレたのは紛れもなく俺のせいだ。

無言で壁際まで歩き、そのまま一発壁を殴った。

「…チクショー……チクショー。」

壁を殴った拳はめっちゃ痛い。それに訳わからない感情が込み上げてくる。こんな気持ち初めてだ。ひたすら壁に拳を当てたままチクショーと言い続けた。

しばらくして平常心を取り戻した俺は、一回大きく深呼吸をする。

俺では恋ちゃんを幸せに出来ない…

そう思い、俺はある決断をした。

< 42 / 58 >

この作品をシェア

pagetop