結婚してみませんか？
智章さんが家に帰りたくないのが私のせいなら、私は家を出るしかない。

『しばらく家を出ます。だから、ちゃんと家に帰ってゆっくり休んで下さい。』

智章さんにメールを送り、私は家を出た。

さて、何処に行こうか。

と言っても、行き先は１つしかない。私は携帯を取り出し電話をかける。

「もしもし、お母さん。悪いんだけど、しばらく泊めてくれないかな？」

「何？泊まるのはいいけど…相沢と喧嘩でもしたの？」

「私達、喧嘩…したのかな？」

電話口でポソッと呟き、そのまま電話を切った。

母のマンションに着き、もう一度携帯を見る。智章さんからの返信はなかった。私の口からは小さなため息が漏れる。

一夜明けても智章さんからは何の連絡もない。そして私の日常も変わらない。いつも通り仕事して帰るだけ。

「恋、何の喧嘩かは分からないけど、さっさと解決しなさいね。相沢も全然仕事に身が入ってないみたいだし。」

「…分かってる。」

母の言葉に半分膨れた感じて返事をする。

「じゃあ3日くらい帰らないから。」

仕事から帰って来たかと思ったら、シャワー浴びて着替えて、また出かけていった。どうやら出張に行くらしい。

「…忙しい人だな。」

忙しそうにバタバタしながら出かけていく母を見ながらそう思った。

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