結婚してみませんか？
この日の仕事を定時きっかりに終わらせて、私は待ち合わせ場所へ急ぐ。智章さんからメールが来て、智章さんの会社の最寄り駅で待ち合わせする事になった。

「ちょっと早かったかな。」

私は待ち合わせに到着した事をメールして、駅前にあるカフェで時間を潰す。

しばらくすると、智章さんからメールが届いた。

『外見て。』

メールの通りに外を見ると、カフェの外で手を振っている智章さんがいた。

「ごめん、待たせちゃったね。」

「いえ、全然大丈夫です。」

「恋ちゃん、今日その格好で会社行ったの？」

智章さんは私の全身を見ながら聞いてきた。

「そうですけど…変ですか？」

私は恐る恐る聞き返す。すると、智章さんは私の肩をグイッと自分の方へ引き寄せて答えた。

「いや、凄く良い。だけど変な男(ムシ)が恋ちゃんに寄ってきそうでマジ焦る。」

「何それ。」

私は思わず笑ってしまった。智章さんは抱き寄せていた私の肩からパッと手を離し、今度は手を差し出してきた。

「歩こう？」

私は差し出された手を握り、2人で歩き始めた。今日の私は智章さんの隣に居ても変じゃないかな…不釣り合いって思われないかな。

「お腹空かない？何か食べようか。」

「そうですね。だったらあのお店にしません？」

「あのお店？」

私はニッコリと笑みを見せる。少し歩き、私達は目的の店に到着した。


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