揺れる被写体〜もっと強く愛して〜
「え…?や……でも…」
「今撮ってた瞳……一番良かった。欲情してたよね?」
カーッと顔が熱くなる。
カメラを下ろした。
でもこんなこと……
顔見て直接言えなくて……
俯いたらカメラを取り上げられた。
そのまま逆に撮られるハメに。
「レイさん…?ちょっと…やめてください…!」
撮らないで……
端まで追いやられてカメラを置いた。
たまに見せる色っぽい視線……
これはおそらく……
レイさん自身が欲情してるんだ……
「キスしなきゃ本性出ないの?」と挑発してくる。
この眼差しから簡単には逃れられない。
チラリと谷間も見られた。
「ちょうどこんな姿だし……襲ってやろうか?」
そう言うと耳を甘噛みされた。
すぐに体が反応して変な声が出る。
「ヤバ……今のは萌えるわ」ってダメな方のスイッチ押しちゃった…!
違うと説明する間もなく唇を奪われ、体の力が抜けていく。
ヤバい……前より深くて激しい。
体に巻いてるバスタオルに手が伸びたからさすがに抵抗した。
のぼせておかしくなっちゃう前に言わないと…っ!
「レイさん…っ、私……!レイさんとこうなりたい訳じゃなくて…!私……レイさんを撮りたいんです…!」
「え、撮ってるじゃん」
「そうじゃなくて…!ちゃんと……被写体として。私のデビュー作は…レイさんでもいいですか…?」
「へ…?そういうこと!?」
思いきって言ってしまった。
勇気振り絞って言ったのに目がテンになってるし。
「ずっとずっと撮りたいって思ってました。私にとって最高の被写体はレイさんです。レイさんしか…考えられなくて…」