揺れる被写体〜もっと強く愛して〜
被写体〈 Rei 〉
レイさんの忙しいスケジュールの合間を縫って超極秘プロジェクトは密かに始動しはじめた。
私自身が常に信頼を寄せている限られたメンツのみ知らされたもの。
「じゃあ、コレも運んじゃっていい感じ?」
機材の運搬を頼んでいる千ちゃん、こと千賀くん。
私と同期でずっとレイさんについてるドライバーさん。
必要な機材は全部運んで私たちが向かった場所は………
某スタジオ……ていうかレイさんの所有するスタジオだ。
アトリエ……とも言う。
私と千ちゃん以外は来たことなかったから皆は「わぁ…!」といった感じ。
コンクリート打ちっぱなしのオシャレな造り。
レイさんのセレブっぷりが皆の頭に一気に上書きされたであろう。
いやぁ、夢ある…!
私たちが目指してる人ってまさに夢を掴んだ人だから。
機材と一緒に数々の衣装も運ばれてく。
ヘアメイク、スタイリストも準備万端。
「お待たせ〜」とラフな感じでやって来てくれたレイさん。
やっとこの日を迎えることが出来た。
私にとって最高の被写体。
あの日の私を汲んでくれたレイさんの言葉。
“企画構成、セット、衣装、人件費…その他諸々、どれだけ経費がかかっても良い。楓ちゃんの思う通りに撮ってみな?全ての権限は楓ちゃんに委ねる。私を思う存分プロデュースしてみ?それに100%応えてあげるから”
有り難くて……嬉しくて……
やっぱり涙は止まらなかった。
まさかレイさんを被写体として撮れる日が来るなんて。
チーム楓、スタッフ一同、
一丸となって全力で取り掛からせて頂きます!!
まずはカメラマンとしての日常。
レイさんが映えるように白いシャツでカメラを構えてもらう。
襟元から見えるデコルテラインがセクシー。
あぁ、何やったってキマってしまうんだなこの人は。