揺れる被写体〜もっと強く愛して〜



レイさんが普段撮影している雰囲気で被写体をいい意味で挑発してるショット。
そう、あの瞳になる瞬間を捕らえたもの。




ヤバい……鳥肌が立つ。
まるで自分があの瞳を向けられて
襲われてしまいそうな……
瞬きひとつさえ見逃したくはない。




企画書は目を通してくれたけど、何も言い足さなくても趣旨を分かってくださっている。
常に“被写体”で居てくれている。
私が望む全てを瞬時に察知して表現してくれるなんて……ただただ頭が下がる思いだ。




あの瞳を前に息するのも忘れてしまうほど……




「おい、撮りなさいよ」とレイさんに言われ慌てふためく。
ヤバ、皆に笑われてる。
カメラマンなの忘れて見惚れてしまってたなんて不甲斐なさすぎるよ。





いつもより大胆に、
バックの人間しかしらないレイさんの素顔をさらけ出したい。
この人の魅力を……
どうしても外の世界に伝えたい。
こんな魅力的な人……
世界中捜したって居ないから。





でも、そんな頭の中のクオリティーをはるかに超える人……
それがレイさんなんだ。




「脱ごうか?」




まさかの提案に皆の手が止まる。




「どうせなら……ね?綺麗に撮ってもらいたいし、楓ちゃんの腕は信じてるよ?」




こんなこと……あっていいのだろうか。
って自らシャツのボタン外してるし…!
バサッとはだけた背中に視線が集中する。




思わずシャッターを押し続けた。
ボディーラインが色っぽすぎて喉が鳴る。
椅子に座って露わになった背中から撮る。
壁に立って上面からのショットなんて一瞬で惹き込まれた。




ボタンの外れたシャツのみ羽織って形の良いバストが顔を覗かせている。
艶っぽい唇にあの瞳。
被写体になってもレイさんは相手を惑わし続けるんだ。








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