揺れる被写体〜もっと強く愛して〜




「じゃあ、ここで私からも皆にご報告があります」




突然のレイさんの言葉に一斉に動きが止まる。
え、なに?
写真集の完成を待ってたかのようなタイミング。




「まぁ、今回の被写体〈Rei〉が発売するにあたってちょっと乗っかっちゃった感はあるんだけど」




一通り皆の顔を見た後。
恥ずかしそうにレイさんは言う。




「私自身も初の、今までの集大成を収めた個展を開こうかと思って…」




照れながらのカミングアウトに皆が歓喜した。
「手伝わせてください!」と口々に言う。
凄い……凄いよレイさん。
こんなに興奮したことないよ。
初の写真展なんて……




「じゃあ関わった被写体さんには招待状送らないとね〜」とレイさんも嬉しそう。
ったく、いつの間に計画立ててたんですか?
本当、毎回驚かされてばかり。




「……あっ!でもレイさん、いいんですか!?」




思わず立ち上がり言ってしまった。
皆が居ることも忘れて乗り出してしまう。
「何が〜?」って軽いっ…!
危機感全くナシ………




「えっと、その……被写体全員に招待状を…?」




「そうだよ?個展で写真使っていいか許可取りも兼ねて」




「でも……そうなったら……」




顔面蒼白な私に他の皆も「?」な顔。
だって、みーんなあなたと関係持った方々ですよ!?
言わば元カレ全員集合!みたいな状態なんですよ!?
強く目で訴える。




「あ、もしかしてHした相手ばっかだから?バトっちゃうんじゃなかろうかって?」




まさかの衝撃発言に皆が口を押さえて赤面!悶絶!




「レイさん…!」




渾身の力を振り絞って名を呼ぶ。
何言ってるんですか!!







< 136 / 158 >

この作品をシェア

pagetop