揺れる被写体〜もっと強く愛して〜
最終章 カメラマン〈南城 美麗〉




私の名前は南城 美麗(ナンジョウミレイ)
27歳。
職業はカメラマン。
フォトグラファーとも言うが
私はあえて「カメラマン」と名乗る。
Reiとして風景・人物からアーティストのMVや写真集など多ジャンルで活動中。




最近では雑誌の連載も持っていて、女性誌の専属モデルのロケーション撮影も担っている。




よくカメラを構えると憑依するって言われたりするけど、そんなことないから。
被写体に対しては第一印象で決まるというか、最初に感じたインスピレーションでこう撮りたいとかアングル、色味まで一気に頭の中で決めちゃうの。




だいたいそのインスピレーションは撮り始めてから変わるかと思えばそうでもない。
少々強引にでもその通りに進めた方が被写体の違った魅力を引き出すことが出来てる気がする。




被写体に対してはついSっ気が増す。
いじめ抜きたくなる。
最初に担当した女優さんは泣かせてしまったな〜。
今じゃ泣き演技の女王とまで言われてる人だけど。




俳優もアーティストも色んな人たちを撮り続けてきて思うことは結局ひとつなんだよね。




被写体をここからどう羽ばたかせるか、だけ。
この手でもう一段階上の世界に送り出すことが出来たなら自分のやったことに誇りが持てる。
それを確認するが為にカメラを持ち続けてるのかも。




撮影中はアドレナリンが出っぱなしなので終わったら疲れてはいるけど無性に人肌恋しくなる。
幸い、男に不自由したことはないから良いなと感じたら割とキスはしちゃう、かな。
軽いのよね、私って。




キスだけで何となくその後の行為も上手い下手がわかると言うか……
相性が良ければ襲っちゃう。
悪ければその場でサヨナラ。









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