揺れる被写体〜もっと強く愛して〜
真横に居る気配は感じてる。
ずっと顔を覗き込まれていることも。
髪を撫でてくれる手が止まったら……
閉じた瞼の外側が真っ暗になる………
「起きてるでしょ?」
寸止めでそれ言うとかズルい。
吐息がかかるほど顔が近いのに僕を試してる。
観念して目を開けたらレイの髪が頬にかかる距離で見下されてて……
離れてほしくなくて腕を掴んだ。
「キス……してよ」
「寝てるフリしたからしてやんない」
「そんな……っ」
髪を耳にかける仕草。
どこまでも色っぽい。
同じソファーに腰を下ろした姿勢も綺麗で……見惚れる。
真横から見たら細身が目立つ。
サロペットのタイトスカート。
何気にバストも強調されてて、
華奢なわりには結構大きい。
ヤベ、見てたのバレた…!
「コーヒーどうぞ」とテーブルには僕の分も用意されていた。
体を起こし座る。
キス……してくれないんだ、とテンションが下がる。
カップを両手で持ち、フゥフゥしながらホットコーヒーを飲む仕草も可愛くて……やっぱり諦めきれない僕は、カップを置いた途端グッと体を近付けた。
太もも同士が触れている。
腰に手を回して視線を引きつけた。
真っすぐ見上げるクールな瞳。
吸い込まれるように顔を近付けたら……
手で阻止された。
「ダメ……我慢して……」
「………ヤダ」
キス……したいよ。
その先もしたい。
レイに触れたい。
今は我慢出来ないよ……
手をどかして唇を重ねた。
嫌なら抵抗しなよ………
抵抗して引っ叩かれたらキスしたこと後悔するよ……
泣いて叫んでよ……
「大嫌い」と軽蔑してよ……