想われて・・・オフィスで始まるSecret Lovestory
プロローグ
意識がやわらかくやさしい場所をたゆたっている。
心地いい・・・
ずっとここにいられたら———でもそれが叶わないことも、どこかで感じている。
まどろみの中で揺らめく意識が、現という水面にぷわりと浮上する。
すごく幸福な夢をみた気がする。
身も心も満たされていたような———
耳元で静かな息遣いが聞こえる。
自分のものとは違う気がする。
体が温かいものに包まれている。
毛布じゃない。滑らかで確かな弾力のある肌触り・・・背中をゆっくりと撫でているのは、手だろうか。
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